星状神経節光線療法

星状神経節光線療法は、神経ブロック療法の一種です。のどには星状神経節といって、頭・顔面・首・肩・上肢・胸・心臓・気管支・肺などを支配している交感神経が集まるいわば"神経の中継所"のようなところがあります。

 

この星状神経節の近くに近赤外線を当て、緊張した交感神経を緩める事ができます。これの作用により脳の視床下部の機能が改善され、全身の血液の循環やホルモンの分泌が正常化すると考えられています。

 

この結果、身体全体の自然治癒力が高まり病気が改善します。このように、「星状神経節光線療法」は、自然治癒力を活性化させて病気を快方へと向かわせる全身治療であるため、様々な病気に効果を発揮します。

 

例えば、花粉症・アレルギー性鼻炎・気管支ぜんそく・アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患をはじめ、顔面神経麻痺、慢性関節リウマチ、帯状疱疹、高血圧症、バセドウ病、生理不順、更年期障害、不眠、仮面うつ、自律神経失調症など、症状が軽くなったり、消えてしまったり、多くの患者さんがその苦しみから解放されています。

 

また、頭が痛い・重い、肩がこる、体がだるい、手足が冷える、食欲がない、下痢と便秘をくり返す、よく眠れない、朝の寝起きが悪い…といった症状が延々と続いている方にも効果が期待できます。

 

病気は一般的に自律神経の異常を引き起こします。これが病気を長引かせたり、他の症状を引き起こしたりしています。

 

星状神経節光線療法

もうしこし分かりやすく

星状神経節光線療法の恒常性維持機能賦活説の具体的な病気の例をあげると、高血圧の人に星状神経節光線療法をくり返していると、しだいに正常域まで血圧が下がってきます。

 

そこでさらに治療を続けていると、血圧が下がりすぎて低血圧になるかというと、そんなことはありません。正常血圧に落ち着いて変動しなくなります。

 

一方、低血圧の人に星状神経節光線療法をくり返していると、しだいに血圧が上がって正常になり、さらに続けても高血圧になるようなことはありません。

 

これがこの治療法の際立った特徴の1 つで、つまり、治療のいきすぎで症状がかえって悪化するとか、副作用が出るというようなことはいっさいありません。

 

なぜかと申しますと、これは体内に生じたいろいろな機能のアンバランスをもとの状態に復元しようとする作用、「ホメオスタシス」(生体の恒常性維持)の機能を賦活する治療法だからです。

 

ホメオスタシスとは「体の内外の環境変化に対して、生体が生理機能を調整し、いつも安定した条件で生命を維持しようと働きかける性質」ということになるでしょうか。

 

前に述べたように、体温の制御、代謝(体内での物質の合成と分解。栄養分と老廃物の入れ替わりなど)の調節、ホルモンのコントロール、こうした生体の恒常性を維持するためのさまざまな働きを統括している総司令部が視床下部です。精神・情動の刺激、環境条件の変動による情報、体の内部の変動の情報がすべて視床下部に集まります。

 

視床下部は、これらの情報をもとに適切な判断をして、免疫系、内分泌系、自律神経系へそれぞれ指令を発して体の恒常性維持をはかっているのです。ですから、この情報を集めて指令を発する過程のどの部分に異常が起こっても、体の変調が起こる(病気になる)と考えてよいでしょう。

 

近赤外線照射(LCCレーザー)の場合、

(1)手技が容易です。

(2)針を使用しないので恐怖感もありません。

(3)近赤外線照射の効果は穏やかですが長くにわたる作用が特徴です。

(4)筋肉の血流を改善し硬直を改善します。特にC1付近の筋の硬直をとりC1を正常な位置に回復させ、椎骨動脈の障害を取り除き視床下部への血流を改善させて、結果自律神経の機能が正常になります。

 

近赤外線療法は、高齢者や年少者に対する適応は大きく、痛みを伴わない、ヒトに優しいものとして評価されています。